アレスクラー弓張金のスコップ杯
初心者向け本コース攻略テクニック
アレスクラー弓張のいったいどこが競技に使われるのかはコース設定者に一任しております。コース設定者はスタッフの持ち回りで同じ人が続けることは基本的にありません。スタッフそれぞれに培ってきた技術や競技経験などから個性的なコースが生まれるのを期待しておりますが、やはり勘所や肝な部分で使われる場所やテクニックに偏りがあることは否めません。そこを攻略することが金のスコップを手に入れるための近道だと思います。
まず他人の走り方を徹底的にチェックするのが重要です。特に同系同車種であれば良く見ておきましょう。勢いで通過しているのか、それともグリップなのか。どの位置でハンドルを切り込んでいるのかをじっくり観察します。それらを元に自分の走行パターンやラインを組み立てていくのです。
またビギナーズラックというのがトライアルに於いても存在します。ベテランが苦労しているところを何らかの拍子で行けてしまう場合もありますが、喜んでばかりにはせず何故行けたのかをじっくり考えてみるというのも上達の方法ではないでしょうか。
_ セクション設定について
コーステープが巾広く張っているセクション設定で、接触やカットの心配がないと思われて簡単に見えるという場合があります。特に小型であるジムニーの参加者には広く感じられるでしょう。しかし、大概は何事もなく走れるラインは1ないし2本程度です。セクション内の段差、穴、傾斜等をよく検討して対角線スタックや傾斜によるトラクション抜け、はたまた転倒の可能性などを十分に顧慮しましょう。
セクションを開始する前には必ず下見時間がありますので、見るだけではなく実際にセクションを歩いて検討すると傾斜角度や窪みの深さなどがよくわかります。コースが広く設定されていても走れるゾーンはそんなに広くないし、タイヤをかける場所も限定されてくるということがわかるはずです。
_ コース巾について
物理的に通れないというセクションは設定しないのでぎりぎりでも通れるはずですが、斜面を利用して傾ける等の工夫が必要な設定もあります。 狭い場所の攻略は車両感覚も重要ですが、走る順番をなるべく先にするということも大事です。路面が荒れてきて失敗した前走車の轍から逃げられなくなってしまえば通れる場所でもテープに接触してしまいます。狭いとどうしてもコーステープに目が行ってしまいがちですが、本当に重要なのは路面状況です。しかし、最近の金スコ杯ではあまりこのような車幅ギリギリの設定はありません。もっともいくら早い順番で走りたくても、金スコ杯では出走順がくじ引きで決まってしまう場合もあります。
_ 急なコーナー
鋭角に曲がる方法はいろいろあります。内側傾斜を利用しての二駆アクセルターン、フルタイム四駆でセンターデフがフリーになるタイプではサイドブレーキを引いてのローバーターン、起伏の大きな地形を利用してサイドシルを引っ掛けてのピポットターン、平らでダート状であれば加速をつけて一気にサイドブレーキを引くサイドターン、または下り傾斜でのゆっくりとしたサイドブレーキターン、バックギアに入れて駆動輪を滑らせるバックターン、わざと地形や樹木(接触減点対象ではないもの)にボディを引っ掛けてのボディターン(*1)等々・・・ これらのやり方や方法は実際にベテランに聞いて貰うとして、これらのテクニックが的確に要所で使いこなせれば、金スコ杯だけではなく他の団体が開催するトライアルでも表彰台は目前でしょう。まずは練習と試行錯誤あるのみです。
_ 金のスコップを狙う車両製作のコツ
やはり一番はタイヤです。ここの土質は細身で径の大きな、パターンの荒いものが好ましい傾向のようです。スワンパー系かSATが良いですが、ジープサービス、MT2等のいわゆるマッドタイヤでも可と思われます。AT系や標準装備タイヤでは相当な路面乾燥状況が続かない限り、かなり入賞は難しいでしょう。空気圧はサファリクラスならば1Kg/cm2前後ですが、泥のひどい場合は0.5Kg/cm2あたりまで落とさねばならない事もあります。なのでチューブレスタイヤと言えどチューブは必須です。
タイヤが揃いましたら次はデフ等の作動規制装置が有効でしょう。リアのLSDは重要なアイテムといえます。少し制限のきつい物が良いでしょう。イニシャルトルクが選べるものであれば、迷わずきつめのものを装着しましょう。またデフロック装着は飛躍的に走破性は上がりますが、必ずしも前後に必要と言う訳ではありません。さらに小さく曲がれなくなるため、金スコ杯のようなテクニカルなトライアルでは諸刃の刃ともいえます。しかし的確な場所で使用すれば大きな武器となるでしょう。車体が小さいジムニークラスであれば回転半径での不利が若干緩和されるので、リアは常にロックというスタッフもおります。もっとも彼らはリアデフを溶接してしまっているようですが、一般道はどうしているのでしょうか?【笑】
この程度の改造で、十分表彰台は狙える仕様になっていると思われます。他トライアルやクロスカントリードライブなどでは足回りのストロークアップが主流の改造のようですが、弓張の土質、コースレイアウトや地形を考えると若干のストロークアップではお話にならず、むしろタイヤが宙に浮いても前進できるデバイスを装着したほうが効果的の様です。もっとも一般的に言われるように、ストロークの大きな車両であれば傾斜による車体の変動も少ないので有利であることは間違いありません。
次にガードの類ですが、ノーマル形状のバンパーでは地形への干渉が障害となる場合があります。破損や変形が生ずる前に取外したほうが無難でしょう。 特にSJ30からJA11にかけてのジムニーノーマルフロントバンパーは、変形によりタイヤと干渉してバーストの原因にもなるようです。しかし取外してしまうだけでは競技規定の「フロント側に有効なバンパーを装備していること」に反してしまうので、地形との干渉が少ないパイプ形状のものと交換するのが良いかと思われます。アフターマーケット製品を取り付けてもよいですが、バンパーは各自の工夫のしどころなので、自作するのもまた楽しいものです。
リアバンパーに関してはココでのトライアルとしては装着の義務はありませんが公道を走行する以上は必要ですし、やはり地形に干渉しづらいものと交換しておくべきかと思われます。またリアのバンパーを交換もしくは取外した結果排気管が突き出してしまったときは、潔くカットしたほうが折れ等のトラブルを未然に防げます。 バンパー以外では基本的なガードの類(三菱ジープワイド系のクラッチオペレーティングシリンダーのガード、ジムニーのタンクガード等)が必要な程度で、過度なガードの装着はトライアルはもとより、クロスカントリードライブでも不利な条件になる場合が多いようです。
エンジンに関してはあまりトライアルではチューニング傾向がないように思われます。キャブ車であれば傾斜に強くするために電磁ポンプを追加で装着する程度で、この競技でしたら出力はノーマルでも充分ですし、ターボ車に至ってはパワーのピークが顕著で乗りづらいという面もあります。タイヤギリギリの地形でターボパワーが炸裂してもあまり嬉しくはない結果に終わるでしょう。パワーをあげるチューニングよりもいつも調子よく定格の出力が出せるような整備を心がけたほうが良いようです。
安全面に関しての留意ポイントはまずシート。ホールドの良いフルバケットシートが良いですが、奥様や彼女、もしくはそれに類する女性関係者が乗られたり、普段も通勤等で使用する車であれば乗り降りがそれなりに大変ですので、装着には周辺の環境に理解されることも必要です。ノーマルシートでもシートベルトを4点式にする事でホールドはずいぶん改善されますが、シートベルトのアンカーはきっちりと取る事が前提です。きちんと応力が掛かっても変形しない位置でアンカーを取らなければ何の意味もありません。ロールバーの組込みはホロ車であればノーマルプラスαが必須ですが、ハコ車の場合は転倒時にドライバーに有効な空隙を設けやすいので必ずしも必要とは限りません。しかしボディの変形を防いだりする効果もあるのでやはり装着したほうが望ましいでしょう。ローバーディフェンダーのようなアウターロールゲージという外側に張り巡らすタイプもありますが、室内空間が犠牲にならない代りに激しく転倒した時は反対側までダメージが及ぶ場合もあります。室内装備に関しては装備よりも取り外しに重きをおきましょう。フロアマットは不要です。揺れの大きなトライアルやクロスカントリーではいざというときにペダルワークの妨げになったりします。同じ理由で飾りや小物も撤去しましょう。走る場所が場所ですので成田山等のお守りも全くあてにはなりません。カーステやエアコン等の快適装備撤去は判断が難しいところですが、トライアル車として割り切れればかなりの軽量化に繋がります。まれにヒーターまで外すかたもいらっしゃるようですが、そのあたりになるともう軽量化というよりは「覚悟」みたいな領域に入るのでしょうか。ちなみにヒーターの無い車は別途曇り止め装置を付けないとこの国の車検には通りませんので注意が必要です。
車両の改造は楽しいものです。しかし同時に公道を走るための配慮も必要ですし、行き過ぎた改造や軽量化にも弊害があることを念頭に行いましょう。ショップまかせも良い方法ですが、まずは自分でいろいろと試行錯誤してみるのもひとつの方法です。トライアルやクロスカントリードライブは他の競技に比べて車体を凹ませてしまう頻度がかなり多いのも事実ですので、最初の改造費に大金をかけてしまうと後のパーツ代(特に灯火類は割りやすい傾向です)や修理費に影響してしまうこともあります。自作や友人作で改造費用を浮かしてタイヤやオイル、燃料、灯火類、窓ガラス(とても高価です)という消耗品に余裕を見ておいたほうがよいでしょう。車体の凹みは走行に影響ない限り、そう頻繁に直すことはありません。この遊びや競技で使用するのであればある程度は割り切って考えることも必要です。
_ 最後に・・・
アレスクラー弓張金のスコップ杯はトライアル初心者から中級者が対象です。トライアルという競技に出場することが初めてというエントラントも少なくありません。またそういった初参加でも充分に楽しむことができるように心掛けております。そのような設定から、さすがに上級者には物足りないかもしれません。もっともそんな腕自慢のエントラントでも、あれ?と言うような罠にはまってしまうことが多々あります。それがこのアレスクラー弓張というコースですし、そんなコースを熟知した6年2組のセクション設定者のニヤリどころとも言えるでしょう【笑】 また金スコ杯は初級や中級,上級といった経験の差からくる垣根のようなモノが非常に少ないので、ビギナーでも安心して参加できるのではないでしょうか。参加費用の設定金額の低さから、入賞賞品や参加賞も気の利いたものはご用意できませんが、ベテランからビギナーの皆様方がご家族同士や仲間を誘って適度な緊張の中にも楽しい一日を過ごせて頂けたら、組長はじめスタッフ一同大変に幸いでございます。どうかご近所お仲間お誘いの上、矢板はアレスクラー弓張、6年2組の金のスコップ杯にご参加下さいますよう、心よりお願い申し上げます。
